2016年8月26日金曜日

ミハイン・ロペスの金メダル




“Yo fui a la Olimpiada a ganar, porque este pueblo lo merecía”
(僕は優勝するためにオリンピックに行った。勝利こそがキューバ人民にふさわしいから)。

“Sabía que mi pueblo esperaba este resultado, porque conoce que soy un atleta que me he sacrificado mucho, y que he estado guerreando desde chiquitico”.
(僕はみんながこういう結果を望んでるって知っていたんだ。僕がどんなに頑張ってきたか、みんなわかっているから。小さい頃から、ずっと)。

“Todo lo que hago es por este pueblo. Cuando salgo a luchar, siento que estoy defendiendo estos momentos y todas las cosas lindas que tenemos”.
(僕がやっていること全てキューバ人民のためなんだ。リングに出るとき、僕たちのかけがえのないひとときとすべての美しいものを自分がこうして守っているのだと感じるんだ)


         
リオ五輪が8月21日閉幕しました。
日本がメダルラッシュに沸く中で、キューバがなかなか上がって来ないので、ひとり気を揉んでましたが、最終的には金5つ、銀2つ、銅4つで、国別ランキングでは18位、中南米地域ではブラジル、ジャマイカに次いで第3位という結果となりました。

最初の金メダルは、男子レスリング59kg級。
相手が日本人だったのでテレビで中継も見られて大満足でした。すみません、非国民で・・・

翌日、男子レスリング130kg級で2つ目の金メダルをゲットしました。
優勝者ミハイン・ロペス選手(33歳)は、無敵の3連続五輪制覇だそうです。
残念ながら、こちらは相手が日本人じゃなかったので中継も録画も放送ナシ。
Facebookのグランマのサイトでようやく動画を見ることができました。

勝利の瞬間、駆け寄ったコーチと抱き合うと見せかけて技をかけて床に転倒させるお茶目ぶり。
それからサルサのステップで踊るチャンピオン。コワモテのドイツ人レフェリーも思わず笑ってました。


【動画にGo!】

そんなほのぼのとした動画に癒されつつ、コメント欄を開くと「おめでとう」、「最強だ、彼こそチャンピオンにふさわしい!」との祝福にまじって、「この黒人野郎」、「まるで動物だ」とか心が寒くなるようなコメントがちらほら。
な、なんだ、こいつ!と思い、プロフィルをみると、ほぼ100%マイアミ在住の亡命キューバ人です。
驚きました。いまだに前世紀の人種差別をそのまんま冷凍保存してる人々がいるとは。
「金メダルなんか何の価値もない。彼はこれからもみすぼらしい家に住んで、車も持てないんだから」というのもありました。
何というか・・・貧しい。そう言う人の心が貧しい。

沸き上がるキューバコールの中、ユニフォームのキューバの国旗を指さして胸を張るミハイン選手に、そんな同情される要素など一ミリも感じられません。
何の特権も見返りもなく、キューバの誇りを胸に頑張ってきたミハイン選手だからこそ、彼の金メダルは一層輝いて見えました。



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