2016年9月13日火曜日

おバカ大賞マルコ・ルビオ



アメリカの上院議員マルコ・ルビオが「キューバへの渡航は見合わせてほしい」とか言っている。
理由は、キューバの空港はセキュリティーに問題があり安全が確保されないから、とのこと。
記事のコメント欄には「このバカ、何言ってんだ」と身もフタもない反応が並ぶ。
口を開けばキューバ攻撃しかない彼のペラッペラな思考回路は世界的に有名らしい。もっともらしい理屈をつけても、彼の言動はすべて「キューバを困らせたい」というそれだけだ。

昨年のアメリカとキューバの国交回復で、ちょっとしたキューバブームになっている。
資本主義国アメリカのこと。儲かるとなれば主義も主張もない。
今月、アメリカからの直行便が半世紀ぶりに再開した。ジェットブルーやアメリカン航空がハバナだけでなくサンタクララやシエンフエゴスなど地方都市にまで飛び、大勢のアメリカ人が星条旗とキューバ国旗を振りながら大喜びでキューバの地に降り立っている。CADECA(換金所)では国際通貨の米ドルが、キューバ国内でしか使えない「こども銀行」紙幣のようなCUCに大量に交換されているはず。キューバにしたら、「ヒャッハー!」というか、うはうは、というか、ま、そんな状態。
そこに水を差そうと、マルコ・ルビオは躍起になっているのだ。

ところで、このマルコ・ルビオ。今年、大統領選共和党予備選にも出馬したが、政策はキューバを締め上げてやる!みたいなことばかりで敢え無くトランプに敗れ去った。トランプも大概だがそれ以下ということだろう。

アメリカで予備選が激しく闘われていた今年3月、私はキューバにいた。アメリカの大統領選挙のニュースは連日トップで扱われていた。誰がどういう政策を掲げてキューバに向き合うか、この小さな国では死活問題なのだ。
一緒に米大統領選のニュースを見ていた友人のマルタが、マルコ・ルビオを見て顔をしかめた。
「ね。この人、誰か知ってる?」
「あんまり知らないけど、アメリカの保守系政治家だよね」
「違うわ。バカよ、バ・カ」

バカのことは、Idiota、あるいはEstúpidoという。ともに「愚かな」という意味だが、怒りを込めて罵るときはEstúpidoを使うようだ。
マルタは力を込めて「エ・ス・トゥー・ピ・ド!」と言った。
「だって、考えてもみてよ」とマルタは続ける。
「この人の両親はキューバ人よ。親戚だって世話になった人だっているはずでしょう。それなのに“島の”キューバ人を懲らしめてやろうだなんて誰が考える?そんなのバカ野郎だけ!」

Facebookのコメント欄に「Estúpido」の書き込みを見つけ、あのとき唇が裏返るほど力んで「エ・ス・トゥー・ピ・ド!」と言ったマルタの顔が浮かんで、思わず噴いた。

マルコ・ルビオ、おバカ大賞決定!



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